Live off programming

20 Jun 2015

自分はSticky NotesというFirefox アドオンを作っている。 Webページにメモを残せるというアドオンである。 今週、サポート用のEメールアドレス宛にこんなメールが届いた。

「あなたのアドオンを買いたい」

ピュアなプログラマである自分は素直に喜んだ。自分のソフトウェアが評価されたのだと思った。 ちょうど勤務中だったので中の良い会社の先輩にチャットして、いくらで売れるか、 これで隠居生活かなどとあれやこれやと盛り上がった。

何度かやり取りをしてみると、どうやら相手はアクセス解析の会社のようで、 アドオンにトラッカーを仕込ませたいという話だった。 売るのではなくトラッカーを入れるだけもよいと言われた。 具体的な数字は書けないが、 アクティブユーザベースで今の自分のアドオンのユーザだ月数十ドルにしかならない程度のものだった。

調べてみると過去にこういったトラッカーをユーザに無断で仕込んで炎上したアドオンがあったようである。 なるほど、どうやらアドオンが評価されていた訳ではなくデータを集めるための駒が欲しかった訳である。

アーリーリタイアかなどど浮かれていた前の自分を後ろからひっぱたいてやりたい。 ソフトウェアで食べていくのはそう甘くはないのである。

昨今、スマートフォン・アプリストアの登場で個人開発者がダイレクトにユーザにソフトウェアを届けることができるようになった。 その結果、いわゆる「アプリで一発当てる」ことが可能になった。事実、flappy bird などは 個人開発ながら大成功をおさめ1日あたり500万円の広告費の売上げがあったこともあったようだ。 まさにアメリカンドリーム。夢あるところに人は集まる。 アプリストアにはものすごい量のアプリがひしめきあっている。 もしかしたらアプリで稼ぐのは音楽で一発当てるのと同じぐらいかそれ以上に難しいことかもしれない。 バンドやっているときは「趣味で」音楽やってますと「趣味で」を枕詞のようにつけてきた。 それはやはりそれだけで食べていくつもりではないですという意思表明である。 今のところやはり自分は「趣味で」アプリつくり、プロとして会社のプログラムを書いている。 プロとして会社のプログラムを書いて生きていくには、概ねSkillさえあれば良い。 ただ、自分自身のアプリ・サービスで生きていくためには、音楽と同じように SkillよりむしろPopularityが必要である。

歌手のJUJUが 「アマチュアの世界ではうまい人が偉いけど、プロの世界では売れている人が偉い。」 という言葉を残している。(Wikipedia参照) 「うまい」を「技術的に優れている」、「売れる」を「ユーザが多い」を置き換えてみると、 なかなか興味深い。技術を追い求めていてもそれだけでは商売にはならない。

そんなことを思いながら今日も休日を趣味の音楽やアプリ作りに精をだしているのである。

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